手作りパンに必要な天然酵母とイーストの違いと特徴

パン手作りに欠かせない膨らませる役目の「酵母」というと、イーストに天然酵母を思い浮かべますよね。ここでは、イーストと天然酵母の違いについてお話していきたいと思います。

天然酵母もイーストも酵母菌にはそれほど違いがない

天然酵母は、果物や穀物など自然のものに付着した酵母菌を発酵させたもの。多様な酵母が混在するため、イーストに比べて発酵力がゆるやか、パン生地の発酵に時間がかかるものが多いのが特徴のひとつ。そのかわり時間をかけてゆっくり発酵することで奥深い味わいのあるパンになります。

イーストはパン発酵に適した酵母菌のみを工場などで純粋培養したもの。なので発酵力が強く短時間でパン作りができます。天然酵母のように酵母の生種を起こしたりする手間がいらず手軽に作れるのがメリットといえるでしょう。

天然酵母も多種多様 好みに合わせて選べる奥深さがあります。

ホシノ酵母パン種(粉末)にぬるま湯を混ぜ合わせて24時間で「生種」のできあがり。冷蔵庫で保存できます。

天然酵母も種類が多く大まかに次の3つに分けられます。
・ドライイーストと同じ工程(ほぼ2時間)で作れる粉末状 白神酵母など
・粉末のものからぬるま湯を加えて種を起こす ホシノ酵母など
・レーズンや果物から作る 自家製酵母

白神酵母 ドライイーストと同じく手軽に使えて保存もしやすいので、手軽さはありますが味の点ではゆっくりと時間をかけて発酵してゆく他の酵母に比べると物足りなく感じます。
ホシノ酵母 生種おこし(粉末のパン種にぬるま湯をいれ24時間)にひと手間かかりますが、その間に天然酵素類など100%天然のアミノ酸が醸し出されていてその種で作ったパンは味わい深くなります。
自家製酵母 果物などと水(砂糖)で作る酵母は作る過程も楽しめ、作ったパンも自然のおいしさを感じられます。ですが、その酵母の保存が長くできずパン作りのスケジュールを酵母に合わせなければならない点と酵母の材料の風味が残るという点があります。

天然酵母といっても色々種類があります。「手軽に使える白神酵母が好き」「生種おこしの手間はあってもあの奥深い味は格別。ホシノ酵母は優れもの」「季節ごとの果物で作る酵母はわが子のよう。プクプク泡立っていく様子を毎日眺めるのも楽しみ」とそれぞれの特徴を知りご自分に合った酵母を見つけて楽しんでいただけたらとおもいます。

イーストもいろいろあるって知ってた?

天然酵母もイーストも酵母菌にはそれほど違いはありませんが、えさ(培養基)に違いがあります。
イーストは、甘未培養し酵母菌株を増やし、甘味飼料と化学物質、アンモニア、水、尿素、過燐酸石灰を培養基として作られる人口酵母です。
発酵力の強いパン酵母菌だけを人工的に集めて培養したため、短時間でパンを膨らませる力を持っていています。

イーストにも様々なタイプがあります。
・培養したパン酵母そのままの 生イースト
・直接混ぜ込んで使える顆粒状の ドライイースト
・冷凍タイプで生イーストとドライイーストのいいとこどり セミドライイースト

などです。
手軽に手に入りやすく扱いもしやすいので、パン作りを手軽に始めたい方向きといえるでしょう。

あなたは天然酵母向き? それともイースト向き?

パンこねってフワフワして気持ちいい

天然酵母はその酵母自体が天然にこだわったものなので、小麦も安心して使える国産を使い、砂糖はミネラル分が残る素精糖、塩も国産を使いたいという方向き。

イーストは、スーパーなどで手軽に手に入るので小麦もこだわらずスーパーにあるもの(ほとんどが外国産)でOKという方向き。といえるでしょうか?

どちらも、お好みで選んでいただければと思いますが、私はず~とホシノ酵母を使っているので断然ホシノ天然酵母をお勧めします。

その理由は
1 少量の塩・砂糖でも芳醇な味のパンができる。
2 いったん生種を作れば冷蔵保存できるのでいつでも好きな時にパンを作れる。
3 イーストのようにパン作りに2時間拘束されない。生地発酵に時間がかかるのを利用し間に好きなことができる。
この3つです。
詳しいことは 【時間に拘束されないホシノ酵母パン作りとは】でご説明しています。そちらも読んでいただければさらにホシノ酵母パン作りを理解していただけると思います。